13号(2008.5月)
国連児童基金(ユニセフ)の研究機関イノチェンティ研究センターが『富裕国における子どもの幸福度調査』の報告書を発表した。PISAの学力調査(OECD加盟国30・非加盟国11が調査に参加)では日本がNO1でなかったことで大騒ぎしていたのだが、今回はデータが足りずに子どもの幸福度を比較する世界のテーブルにさえつけなかったのにほとんど報道されることはなかった。
この調査では、6つの指標の合計40項目についてOECD(経済開発協力機構)加盟の25カ国と非加盟国8カ国で総合評価した。子どもたちとは、項目によって乳幼児やハイティーンを含んでいるが、主に11,13、15歳である。
【総合評価の結果】
比較できるデータがそろっているのは21カ国で、総じて北欧勢が上位を占めていた。
1位オランダ(4.2) 2位スウェーデン(5.0) 3位デンマーク(7.2)
4位フィンランド(7.5) 5位スペイン(8.0) 6位スイス(8.3)
7位ノルウェー(8.7)・・・・・
下位グループは
15位チェコ(12.5) 16位フランス(13.0) 17位ポルトガル(13.7)
18位オーストリア(13.8) 19位ハンガリー(14.5) 20位アメリカ(18.0)
21位イギリス(18.2)
【指標ごとの最上位と最下位】
指標 最上位国 最下位国
物質的な幸福 スウェーデン ポーランド
健康と治安 スウェーデン アメリカ
教育上の幸福 ベルギー ポルトガル
家族や仲間との関係 イタリア イギリス
行動と危険 スウェーデン イギリス
主観的な幸福 オランダ イギリス
6つの指標のうち3つで最上位だったスウェーデンは『家族や仲間との関係』が15位で、これが総合評価の足を引っ張った。
総合評価で使われている数字がどういうものか良くわからないので、この結果がどういうものか正確にはわからないが、単純に数字だけで比較すると最下位グループのアメリカやイギリスの子どもたちは、最上位のオランダの子どもたちと比べると4倍以上不幸だということになる。(アメリカ18.0÷4.2=4.285・・イギリス18.2÷4.2=4.333・・)
【わが国の反応】
データが不十分でランキングがされなかったがそのこと自体を大きく問題にしている様子は感じられなかった。しかし、比較可能なデータの中で【主観的な幸福】の指標の中で「自分は孤独だと感じている」15歳の子どもが29.8%(比較できた27カ国の平均7.4%を桁違いに上回った)だったことに対して、日本学術会議が「わが国の子どもを元気にする環境づくりのための国家的戦略の確立に向けてー子どもを元気にする環境づくり戦略・政策検討委員会」(07年7月)という対外報告を出していた。
日本学術会議なるものがどういうものなのか私は知らないのだが、報告を読んでみると『わが国の子どもは今、きわめて危機的な状況にある。体力・運動能力の低下、肥満や糖尿病などの生活習慣病の増加、学力の低下だけでなく、意欲の低下、不登校や引きこもりの増加、いじめやそれによる自殺など、「子どもの危機」とも呼ぶべき状況は、幼児から青少年まですべての段階において見られる。また親による虐待も増加している。ユニセフの国際比較によれば、わが国の子どもは飛びぬけて「自分は孤独である」と認めており、向上心も極めて低いと報告されている。このような状況をもたらしたのは子どもの成育環境の変化である。子どもの元気をはぐくむことは、一人ひとりの子どもの幸せのためになすべき大人の責任であるとともに、次世代を担う人材を育成するという国家的重要課題である。』と書いてあった。
さらに、『子どもの成育という視点に立ち、従来の個別的政策(医療・福祉・教育・家庭・学校など)を再検討し。複合的・総合的に連携する戦略を構築する必要がある』と述べている。
学力低下問題一色になっている昨今だが、それどころではないと報告は言っている。学力低下問題よりも大きな問題が進行しているという認識は、私も同感だが、調査の内容が良くわからないまま大騒ぎすることはない。まずは、ユニセフの調査の詳細を知りたいと思っているが、私の技術ではまだ検索できないでいる。
今月は、仙台で北剏舎(ほくそうしゃ)という塾をやっている友人のブログから、自分が『進路』についていろいろ考えたときの話です。「自分の好きなこと・やりたいことを見つけなさい」とはよく言われる言葉ですが、なかなかそれがわからなかったり、見つけられないのが普通です。私も30歳まで、何かを始めるたびに『これは違う』と感じ、そのつどまた何かを始め、また『しっくり』いかず・・・の繰り返しでした。塾を始めてからはいつの間にかそういうことを考えなくなったけれど、それは塾がやりたいことであったからなのか、ただ年齢とともに考える事をやめたからなのか良くわかりません。迷いながら生きていることを否定せずに、そのときそのときできることをゆっくりやってゆきましょう。
大人から「お願いします」
